ウー料理長の旅立ち



帝都を賑わした ウー の出現から、はやニヶ月。

ウー料理長は確かな手応えを得つつ、飽くなき探究心を心に抱きつつ、穏やかな笑顔の奥に潜んだある決意と共に、帝都の皆様へウーを提供していたのです。

2010年の暮れ、ウー料理長は人知れず、ウーを更に進化させるための、新たなる食材を求める旅に出ました。

今回特に会見などを開かず、リリースもせずにひっそりと旅に出たのは、ウー料理長の決意のあらわれであるとともに、その旅が、予測のつかぬ展開を覚悟せねばならぬものであったためであります。

我々、堀中取材班は、ウー料理長の旅立ちに唯一立ち会うことができたのですが、すぐさま皆様にお伝えすることをしなかったのは、これを公表することは旅立ちから一ヶ月経った後にして欲しいというウー料理長の依頼を厳守したためです。

この度、ようやくその禁が解けたため、ここにウー料理長の旅立ちを皆様にお伝えいたします。

ウー料理長が戻ってくるとき。

それは、我々の前に、新たなる ウー の姿が登場するときです。

その日まで、我らはウー料理長の果てしない旅の道程を想像しつつ、無事なる帰還を祈るのみです。


それでは、ウー料理長の旅立ちレポートをご覧ください。




羽田空港をゆくウー料理長


空港内でカートを押すウー料理長


第一の行先を見据えるウー料理長


まもなく搭乗時間である。


搭乗を前に、夜景を眺めながら、あてどない旅の行く末を思い、目を細めるウー料理長


あっ 死兆星だ


しばし遠くを見据えた後、ウー料理長は我々堀中取材班に向けるでもなく、こう言いました。

「…飛行機はやめましょう。」


__そして


大小に連なる光の粒が微かにゆらめく、ここは某波止場。
に、停泊する謎の巨大船。


ウー料理長は、旧知の間柄である船長に、この船に乗ることを請うたのです。


「許可なき者の乗船を禁ず」
その言葉の重みを知る男、ウー料理長は、船長より快き許可を得、乗船してゆきました。


ここはデッキ。
広々とした空間は、とても船内とは思えぬほどの静けさをたたえています。


どうやら、この船に乗ることを許されたのは、ウー料理長ただ一人のようです。
このだだっ広い食堂にも、人の気配を感じることはありません。


淡々とデッキで出航を待つウー料理長。
たったひとりの同乗者である船長は、ウー料理長にあらためて断ることもなく、粛々と船を出航させました。


船が出ると、ウー料理長はおもむろに厨房へと向かい、仕込みをはじめたようです。これは、飽くなき探究心のあらわれか、それとも、何も言わずに新たなる食材探しの旅のためにこの巨大船と自らの身体を提供した船長への心配りなのか。

もはや、漆黒の海のかなたへ茫洋とかき消えてゆく船の光のゆらめきを地上から眺めるしかない我々堀中取材班には、それは与り知らぬことでありました。


旅は今、始まったばかりである。

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One Response to ウー料理長の旅立ち

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